筋弛緩法のやり方について
目次
- ○ 筋弛緩法のやり方について
- ○ 筋弛緩法とは?
- ○ 筋弛緩法のやり方・方法
- ○ 筋弛緩法の効果とは?
- ○ どういった場所で取り入れられているか?
- ○ 漸進的筋弛緩法とは?提唱者は?
- ○ ①手と腕のエクササイズ
- ○ ②肩のエクササイズ
- ○ その他部位(首、顔、腹部、足)
- ○ まとめ
筋弛緩法のやり方について
筋弛緩法は、筋肉をゆるめることで心もリラックスさせて自律神経を整える方法です。
この筋弛緩法は、自律神経失調症の治療だけでなく、パニック障害や社会不安障害などの不安障害をやわらげるためにも使われますし、スポーツ選手も活用している方法です。
そんな筋弛緩法のやり方、効果などについてお伝えします。
【目次】
• 筋弛緩法とは?
• 筋弛緩法のやり方・方法
• 筋弛緩法の効果とは?
筋弛緩法とは?
筋弛緩法は、筋肉をゆるめて心身ともにリラックスさせて自律神経を整える方法。
医師による指導がなくてもできる方法なので、コリをやわらげるために普段の生活の中でおこなったり、緊張する場面でやわらげるためにおこなったり、スポーツ選手が緊張をほぐすためにも使われています。(心理療法のなかの自律的アプローチ)
チカラを入れれば筋肉はかたくなり、チカラを抜けば筋肉はやわらかくなる。この時、筋肉だけでなく神経も一緒に固くなったり柔らかくなったりします。
このメカニズムを利用して、体をリラックスさせることで心もリラックスさせて自律神経のバランスを整えるのが、筋弛緩法です。
筋弛緩法のやり方・方法
筋弛緩法の方法について、ひとつの例をお伝えします。
1. 首、肩など、体の一部分にギューッと6~7秒間チカラを入れる
2. そして一気にチカラを抜いて、その状態(何もしない状態)のまま10秒から15秒ほど休む
3. この動作を何回かくりかえす
4. チカラが入っている緊張状態とチカラを抜いたリラックス状態との、体の感覚の違いをしっかりと味わって覚える。
(1)ではなるべく80%から100%くらいギューッとチカラを入れましょう。そして(2)で脱力する時は0%になるまで脱力するつもりで脱力しましょう。
ここでどこまでチカラが抜けるかが筋弛緩法で効果をえるための大きなポイントのひとつ。一気にストンッとチカラを抜きましょう。
リラックスするぞ、と気合いを入れると緊張してしまいます(笑)。筋弛緩法は最初からうまくできるものではありません。でもうまくできなかったから効果がゼロというものでもありません。
続けていくうちに慣れていって徐々にうまくできるようになるでしょうし、効果も高まってきます。ぜひ、気楽に、気長に、筋弛緩法をおこなってください。
筋弛緩法の効果とは?
筋弛緩法の効果は、徐々に体の筋肉を“深く”リラックスさせることができること。
「体の筋肉を深くリラックスさせられる」ということは「副交感神経=体をしっかりと回復するモード」に切りかえられるということ。筋肉がゆるんでいる時間が増えれば増えるほど、体の回復が進んでいきます。
また、筋弛緩法によって体がゆるんでいる感覚を覚えることで、逆に、「いまは筋肉がだいぶ緊張しているな」と気づけるので、緊張状態を続けてしまう前に筋肉をゆるめることができます。
筋弛緩法によって筋肉の緊張がほどけると、
• 疲れがとれやすい
• 体が軽い
• 寝つきがよい
• 眠りが深い
• 手足の体温があがる
• 心拍がゆっくりになる
• 血圧が下がる
• 呼吸が深くなる
• 頭がさえる
• 仕事や勉強がはかどる
• 芸術や音楽などクリエイティブな活動がすすむ
• 自己肯定感を高める
• 免疫機能が高まる
• 脈拍が下がる
• 快適度が高まる
といったメリットが期待できます。
筋弛緩法をマスターすると、不安の改善、抑うつ感の改善、リラックス効果が得られます。普段の生活の中で手軽にできるのが筋弛緩法の良いところ。疲れをためてしまわないように、深い眠りにつけるように、筋弛緩法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
どういった場所で取り入れられているか?
• 精神科のデイケア
• がん患者への指導
• スポーツ場面
• ビジネスの緊張場面
漸進的筋弛緩法とは?提唱者は?
“漸進的”という言葉には、「順を追って段々と目的に到達する」という意味があります。順を追って緊張と弛緩を繰り返して、リラックス状態にたどり着くという方法です。
約100年前にアメリカの精神科医エドモンド・ジェイコブソンが開発した方法です。
ジェイコブセンは、低微小電圧装置という装置を使い、
・筋肉の緊張
・精神活動
の関係を分析を行いました。このような研究は当時画期的なものでした。
その結果、
・緊張は筋肉の収縮をもたらす
・筋肉の弛緩と精神的リラックスは関係する
これらの関係があることを発見していったのです。
開発
その後ジェイコブセンは、後述する、実際に筋肉に力を入れたり、ゆるめたりを繰返すことで、身体と精神をリラックスさせる漸進的筋弛緩法を開発していきました。
体の各部位の筋肉を10秒間緊張させた後、ストンと一気にゆるめることを繰り返して、体の緊張をほぐします。
漸進的弛緩法は、心理学辞典(1999)では、以下のように定義されています。
まず身体の一部分(たとえば右腕の筋肉)から弛緩させ、しだいに身体の主要な筋肉の弛緩を始め、最終的には全身の筋肉をすべて弛緩させていく技法である。
いったん筋肉を緊張させてから弛緩させる方法をとっているので、その落差が大きく筋肉が弛緩した状態に気づくことを狙いとする。
①手と腕のエクササイズ
まずは両手を握り腕を曲げます。
60%ぐらい力を入れます
10秒キープします
脱力をします
10秒間
筋肉が弛緩している感覚を味わいます
②肩のエクササイズ
左右の方を上に持ち上げ、
耳にくっつけるようにします。
10秒力を入れてキープします
脱力をします
10秒間
筋肉が弛緩している感覚を味わいます
その他部位(首、顔、腹部、足)
• 背中:上腕を外に広げ、10秒間肩甲骨を引きつける。→脱力(20秒間)
• 首:右側に首をひねって10秒間力を入れる。→脱力(20秒間)
左側も同様に。
• 顔:口をすぼめ、奥歯を噛みしめて顔全体を顔の中心に集めるように10秒間力を入れる。→脱力(20秒間。ゆるめたときは、口がぽかんとした状態になるように)
• 腹部:おなかに手を当て、その手を押し返すように10秒間力を入れる。→脱力(20秒間)
• 足の下側:つま先まで足を伸ばし、足の下側の筋肉に10秒間力を入れる。→脱力(20秒間)
• 足の上側:足を伸ばし、つま先を上に曲げて、足の上側の筋肉に10秒間力を入れる。→脱力(20秒間)
まとめ
今現在、新型コロナウィルスにより、全世界の価値観が変わってきてしまいました。
リストラ、先の見えない不安、学生達の未来への不安、飲食店等の度重なる緊急事態宣言、テレワークによる夫婦のあり方への不安、休日も制限のある中での行動を強いられ、○○警察等と呼ばれる方の出現等、「生き辛さ」を感じられる毎日を強いられている方が数多くいらっしゃることと思います。
その為に私たちは、ストレスを過度に抱え込む前にするべきことがあります。
それは、自分自身が、ストレスを抱え込まないで、鬱積した状態を放置したまま、最終段階にてSOSを出すのではなく、上手にストレスを自分でリリースしていく方法が必要で、それは人それぞれ異なります。まず、自分にとってどの場面でストレスを感じて、どの方法でその為のリラックスに繋がるのか、丁寧に自分の心の状態と向き合っていく時間が必須の時代だと思います。
その為には、精神科に行くのも大げさすぎるといって放置するのではなく、自律訓練法や筋弛緩法により、セルフで自分の心を癒していく時間を取り、自分自身の心に向き合って、気付いていく時間が何より大切です。
今、海外旅行に行ったり、皆さんのストレス解消に繋がる行動はことごとく制限を受けていますが、そんな今だからこそ、自分の心の中心を占めている感情に気付いていく、大事な時間を与えられていると発想の転換をすべき時です。
是非、この時期に、マスターしていき、いかなるストレスが来ても、「これをやれば大丈夫!」という心の逃げ道を常に用意しておくことが大事です。
フランスでは、又ロックダウンが始まりましたが日本も未だこれから何が起こるかは分かりません
。
いかなる状況下でも自分のマインドを整えておく手段が皆さんには必要です!
是非、こちらを参考に、ご自身でも実践してみて下さいね。